ある坊守のつぶやき 古谷 久美子

2012年09月01日

 東日本大震災後の廃棄物広域処理が全国に呼び掛けられ、大分県では津久見市が唯一手を挙げた。

 「広域処理とは?放射能の問題は?」と様々な疑問を抱いた市民で、学習会の開催や情報提供を目的に「津久見の海と山といのちを守る母の会」を立ち上げた。責任ある会にする為、代表者や連絡先を公表しようとはなったものの、企業城下町と言われる津久見市で立場上、名前を公表できない人も多く、共同代表の1人に名を連ねることになってしまった。

 県や市の進める事に対して、チラシや新聞等に名前を出して問題を投げかけることへのプレッシャーで、最初の1、2週間は食事も喉を通らない程だった。「お寺の奥さんが何でそこまで?と思われるかなぁ」とポツリと言った時、「お寺こそ、命にかかわる仕事なんだから、この問題に取り組むのは当然と思うよ」と1人の人が言った。

 この問題が命にかかわる事と捉えている人がどのくらいいるかは分からないが、周りに理解してくれる人がいる事で、少し気持ちが楽になり、元気をいただく事が出来た。

臼杵組 蓮照寺 古谷 久美子
教区報『遇我遇仏』27号