ある坊守のつぶやき 武内 理恵

2014年09月01日

 毎月第1木曜日に写経の会を始めてから今夏で8年目を迎えました。毎回、午前10時におつとめ、住職による約20分間のお経のご法話の後、本堂の阿弥陀様に向かって1時間半程続けて写経します。この時間が各々自分と向き合う時間、教えに触れる貴重な機会になっているようです。常時15名前後の30~80代の様々な方が集まって来られています。

 私と書道との関わりは、不思議なことに40年も続いていますが、これは私にとってはごく自然なことでした。4歳の時に文字を覚えるために始めたお習字の稽古から、やがて大学で専門に学び、仕事で子どもの指導に関わり、現在は自分のライフワークとして続けています。でも、書作に向かう時、何度か自分の心が強く動くことがあったように思います。先ずは高校時代、書には自分の想いをぶつけて表現が出来ると感じて専門に学びたいと思った時です。当時、弟子入りお断りの書家に押し掛けてまで稽古をお願いしていました。

 その後、書作の時間が自分の内面と向き合うことなっていることに気付いた時に、改めてこれからもずっと書道を続けていこうと決心しました。どちらにしても、自分はどうしていこうかと悩んでいた時ではなかったかと思います。世間では、美文字、写経ブームと言われて久しいのですが、その裏には、漢字文化を支える精神性を感じています。是非、心動かされる空間として、お寺がその一端を担う事が出来ればと思っています。

日田組 長福寺 坊守 武内 理恵
『遇我遇仏』35号