「不戦の呼びかけ」

2015年08月27日

「不戦の呼びかけ」

 我が真宗大谷派教団当局、教学者、僧侶は、明治時代以来、大日本帝国という国家体制に随順し、政府の引き起こしてきた幾多の戦争に積極的に協力してきました。とりわけ、先の第二次世界大戦・太平洋戦争時には、みほとけを荘厳すべき仏具までも武器製造の材料として供出したのみならず、僧侶・門徒はじめ多くのひとびとを、侵略に加担させ侵略戦争へと駆り立てていきました。

 その中でも、最も深刻に懺悔すべきことは、宗祖親鸞聖人の仰せに有らざる事を仰せとし、侵略を正当化し戦争を聖戦と美化したことです。国家当局におもねって教義をねじ曲げ、世情に媚びる教学を流布して、聖戦教義・聖戦信仰を生み出し、教団構成員を侵略の軍隊・企業等の実行部隊に動員し、その多くのを戦死、戦傷、人生破綻に至らせた責任は、重大で深刻な問題です。そしてさらに、その実行部隊が行ったアジア・太平洋地域の民衆に対する筆舌に尽くしがたい加害行為に対する責任も等しく重大です。戦後七十年を経て、わが真宗大谷派教団の、これらに対する責任は、果たされているのでしょうか。

 今、日本政府が、「秘密保護法」によって、公務員、マスコミ、報道関係者をはじめ情報を知りうる立場の人たちに、政府にとって都合の悪い情報を国民に伝えないように縛り、国民の自由で自主的な判断を阻害する言論統制を行ない始めています。また、今まで禁止していた武器輸出を、自由化しました。「安全保障関連法案」を成立させ、他国の戦争に、政府だけの一方的で勝手な判断で、参戦できるようにしようとしています。また、同時にアメリカ合衆国を中心とした「同盟国」の戦争に、国民に是非の判断をさせず、自動的に捲き込む動きを急速に強めています。戦争をして、戦争で経済利益が得られる産軍官学一体となったアメリカ型の軍事国家に日本を造り変えようとしています。

 私たちは、真宗大谷派が表明した1995・6・15「不戦の誓い」2015・5・21「宗派声明」2015・6・9「非戦決議」を踏まえて、日本政府に「秘密保護法」「安全保障関連法案」の廃案と、武器輸出禁止を、強く要望します。

 それと共に「目豊教区・四日市別院親鸞聖人七百五十回御遠忌」を目睫にして、今こそ、我が教団の過ちを深く慚愧し、聖戦教義・聖戦信仰、戦時教学を真に克服する教団体制の根本的改革と、真に親鸞聖人のみ教えを宣布する教学の確立をめざすことを、教団当局、教学者をはじめ教団を構成する全ての人々に呼びかけます。

「この世において、もろもろの怨みは、怨み返すことによって、決して静まらない。
そうではなくて、もろもろの怨みは、怨み返さないことによって静まる。
これは、永遠の真理である。」(ダンマパダ)

2015/08/03 日豊教区・組長・副組長会
(呼びかけ人代表 来山哲治)


「不戦の誓い」

1995年6月、戦後50 年にあたり、「不戦の誓い」を宗会において採択。

 私たちは過去において、大日本帝国の名の下に、世界の人々、とりわけアジア諸国の人たちに、言語に絶する惨禍をもたらし、仏法の名を借りて、将来ある青年たちを死地に赴かしめ、言いしれぬ苦難を強いたことを、深く殲悔するものであります。

 この慟晦の思念を旨として、私たちは、人間のいのちを軽んじ、他を抹殺して愧じることのない、すべての戦闘行為を否定し、さらに賜つた信心の智慧をもって、宗門が犯した罪責を検証し、これらの惨事を未然に防止する努力を惜しまないことを決意して、ここに「不戦の誓い」を表明するものであります。

 さらに私たちは、かつて安穏なる世を願い、四海同朋への慈しみを説いたために、非国民とされ、宗門からさえ見捨てられた人々に対し、心からなる許しを乞うとともに、今日世界各地において不戦平和への願いに促されて、その実現に身を捧げておられるあらゆる心ある人々に、深甚の敬意を表するものであります。

 私たちは、民族・言語・文化・宗教の相違を越えて、戦争を許さない、豊かで平和な国際社会の建設にむけて、すべての人々と歩みをともにすることを誓うものであります。

 右、決議いたします。

1995 年6 月13 日

真宗大谷派 宗議会議員一同

1995 年6月15 日

真宗大谷派 参議会議員一同