ある坊守のつぶやき 長野 史江

2015年09月11日

 お盆も終わり、朝晩の風に涼しさを感じる季節となりました。

 私は田川組性福寺坊守の長野です。坊守と申しましても、まだ右も左もわからず、毎日過ごしています。

 私は在家出身でお寺に嫁いで10年目になりますが、お寺には保育所があるので一日保育所で過ごしていることが多く、母にお寺の事を見てもらいながら、日々、お寺と保育所を行ったり来たりしています。最近では、門徒さんと共通の話題も増え楽しくおしゃべりをさせていただき、周りの方々の支えもあってお寺での生活にも随分慣れてきました。

 保育所では真宗保育をとりいれて子どもたちが小さな手で合掌している姿をよく目にします。やっと合掌をできるようになってきた1歳児の子が手をあわせている姿を見るととても可愛らしく南無阿弥陀仏が言えなくても、アッアッと大きな友だちに声を合わせている姿を見ます。

 7月のある日、園庭で子どもたちが遊んでいると突然どこからともなく、無数のトンボが飛んできて手を伸ばせば捕まえる事もできそうなほどでした。何人かのお友だちは虫取り網を手に走り回っていましたが、一人の女の子が「あのトンボにおじいちゃんが乗っておうちに帰ってくるんよ」と私に話してくれました。話を聞くと、亡くなったおじいちゃんがお盆にトンボに乗って帰ってくると話してもらったとのこと。この話を聞いて今、世間では核家族化が進み祖父母とゆっくり会話をすることがなくなってきた中、こういった会話の積み重ねが子どもたちの心にとって大切なのではないかと思ったことです。

 日々の忙しさに流されがちな私ですが、小さな気づきの中にも大切な事があることを感じられるようになりたいと思います。

田川組性福寺 長野 史江
『遇我遇仏』39号