|
|
 |
正行寺同朋の会
|
今回は、中津組正行寺さんの「同朋の会」をご紹介します。住職さん、坊守さん、若院さんにお話しをお聞きしました。 |
【問】この会をはじめたきっかけは?
【答】私に代がかわって、整理しなければならないお寺の問題があり、その解決に十年かかりました。現在、やっと落ち着き、大事な教化活動に本腰をいれられるようになりました。門徒さんたちからも勉強会をしてほしいと要望があり、昨年の五月から毎月一回の聞法会をはじめました。
また、月二回のコーラスも同時にはじめました。(住職)
【問】どのような内容で会をなされていますか?
【答】毎月一回、午後7時20分から9時という時間帯で、勤行、講義、質疑応答という日程で行っています。講師には、田畑正久先生にご出向いただき、東本願寺出版部から発行されている『正信偶』をテキストにご講義をいただいています。参加者は、毎回40〜50人ぐらいです。(住職)
【問】会の運営方法は?
【答】参加者の方から参加費として五百円をいただき、会の運営経費に充てています。
会の運営に際しては、昨年、中津組で十数年振りに実施された推進員教習を修了され、推進員になられた方に案内状の発送や、会場準備や受付けなどをしてもらっています。
また、会がはじまった当初は、お茶菓子をだしていたのですが、先生から「こんな時間に食べるのは良くないし、歯にも悪い」と言われ、お茶だけにしました。
しかし、今度はお茶をだしてくださる人から「先生のお話しを聞きのがす」と言われ、今はペットボトルのお茶だけを用意しています。(住職)
【問】会をはじめて良かったことは?
【答】あるご門徒さんから「お寺でお話しを聞くことは楽しいことやなあ」と言われた時です。本来、お寺は楽しいところだと思うんです。
また、おそらく先生からのお声がけのおかげだと思うのですが、門徒さんでない人も半分ぐらい参加してくれていることです。私のできることは、場を広げていくことだと思っています。(住職)
【答】お寺の法要や行事では、坊守という立場を意識して、どうしても気負い、飾ってしまいますが、この会は、私自身のための勉強会だと思っています。坊守という立場を考えずに、裸で聞かせていただけることが何よりも嬉しいです。(坊守)
【答】私は、ご高齢の参加者の方を自動車で送り迎えをしています。その道中で先生の講義について一緒にお話しをするのですが、自分が経験したことのない戦争体験などをとおして講義を受け止められているので、自分の思いもよらないことを教えていただいています。そのことがすごく楽しいです。(若院)
【問】質疑応答で、次々と質問が出ていましたが?
【答】先生の雰囲気ではないでしょうか。第一回目で「何回もお話しを聞いた人も、一回聞いた人も同じように救われるのですか」という質問があったのですが、先生がニコニコした顔で答えてくださり、「何を聞いてもいいんだ」と皆さんが思われたようです。(住職)
【答】先生が真正面から向き合ってくださるので、皆さんも鎧兜が脱げるのだと思います。あるご門徒さんは、「お話しを聞いてもよく分からないけれども、あの先生があんなに一生懸命に話されるのだから、きっと大切なことを言われているのだと思うと休めない」とおっしゃっていました。
やはり、先生の情熱であると思います。(坊守)
【問】田畑先生にご講師をお願いしたきっかけは?
【答】「田畑先生のお話しに感動した」という友だちからの声を聞き、先生のお話しを数回聞かせていただいて、是非先生にご講師をお願いしたいと申し出ましたところ、二言返事で引き受けてくださいました。
本当のところは、この会がこんなに続くとは思っていませんでした。皆さん難しいと思っていらっしゃるだろうし、今でも「分からない」と言う方もいますが、何か感じておられるのだと思います。
この会がはじまってわずか一年しか経っていません。いつまで続くか分からないので、今回の取材をお受けする
ことは迷ったのですが、先生の「一人でも多くの方に仏法を聞いてほしい」という願いのお役に立つのならとお受けしました。「できる程の事をさせていただきます。南無阿弥陀仏。声に出して言うんだよ。」先生がいつもおっしゃることです。(坊守)
|
 |
|
|
山を越える会〜岡本照子さんに聞く〜
|
前号の『法爾』から、各寺院や各地域で行われている「ご命日のつどい(同朋の会)」の紹介をしております。今回は、「山を越える会」(宇佐市)をご紹介いたします。
|
【問】この会がはじまったきっかけは?
【答】1988(昭和63)年、宇佐組婦人研修会で藤谷純子さんのお話を聞き、こんな方がいるのかと驚き、純子さんにのぼせてしまい勝福寺さんにおしかけました。その時、純子さんから細川巖先生の本をいただき、また、当時、月1回細川先生がお越しになっている万徳寺(宇佐組)さんの聞法会に誘っていただきました。そして、聞法会に通うようになったのですが、1990(平成2)年、聞法会とは別に自分たちでも細川先生の本を輪読しようということで始まったのが「山を越える会」です。
【問】「山を越える会」という名称の由来は?
【答】自分たちで輪読会を立ち上げたときに、是非、細川先生に名前をつけていただきたいということで、細川先生にお願いをしました。その時、お願いにいったメンバーが高齢の方が多かったこともあると思うのですが、「山を登ったら、また次の山が見えてくる、その山を一つずつ越えて行きましょう」という願いを込めて名前をつけてくださいました。
また、人間は誰も皆「鉄囲山(てっちせん)」という暗く冷く固い鉄の殻をもっているので、その鉄の殻を越えていこうということもおっしゃられたようにおぼえています。
【問】どのような会にしたいと思いましたか?
【答】会がはじまったとき、純子さんから「ドロドロとしたものが話せるような会になればいいね。そして、初めのうちはできるだけメンバーを増やさずにいきましょう」と言われました。そのことを聞いたとき、よく意味がわからなかったのですが、会を続けていくうちに、自分の内面をだせるようになり、またメンバー同志がお互いに遠慮せずに厳しいことも言えるようになってきて、言われた意味がよく分かりました。
【問】メンバー構成は?
【答】メンバーは、年齢が90代から40代までと幅があるので心開いて嫁の立場、姑の立場が理解し合えたり、老・病・死の苦しみを目の当たりしています。だんだん来られなくなった方もあるし、また新しく入る方ができたり、いつも12、13名です。
【問】現在は、どのような内容で会をされていますか?
【答】メンバーのなかで順番に当番を決めて、当番の方に会の運営に際してのお世話をしていただいています。
また、当番の方には、会の最初に感話をしていただいています。
この当番制については、「当番の人は、自分のためにみんなが集まってくれているという気持ちで受けましょう」と純子さんから言われたのですが、やはり人にのっかかる聞法会ではなく自分が主体的に関わっていくということが大切だと思います。
内容は、始めに『正信偈』をお勤めし、感話、座談会、輪読、座談会、恩徳讃斉唱という内容で行っています。今は、林暁宇先生の『死にしなの念仏』を輪読しています。会が始まった当初は、純子さんからいただいた細川先生の書かれた『歎異抄』を、メンバー全員が手作りで本を製作して、約10年かけて第十章までを輪読しました。その後は、安田理深先生の奥さんのうめ奥さんや和田稠先生、平野修先生の本などいろんな本を輪読しました。
また、山を越える会が主催して毎年報恩講をお勤めするようになりました。細川先生のお話をお聞きしたいということで、福岡の細川先生の願生会館でも2回報恩講をお勤めさせていただいたこともあります。
【問】会を継続していく上で苦労されていることはありますか?
【答】何もありません。これまで一度もお菓子とか買ったことがありません。それぞれが家にあるものを持ち寄ります。私が作ったぬか漬けをみなさんが喜んでくれるのがとても嬉しいです。メンバーの一人ひとりが負担になるようなことはしないようにしています。
また、純子さんには先生として来ていただいていますが、「同じ会のメンバーの一員として聞法させていただいている」と言われ、絶対に先生と呼ばせてくれません。
以前、なかなか本を読む時間が取れず、主人が寝た後、夜10時過ぎから純子さんを訪ね、輪読をしていたことがあるのですが、その時も「私一人では読めないから一緒に読みましょう」と言ってくれました。
純子さんのおかげで会も続いています。たいへん有り難く思っています。
【問】皆さんのお念仏の声が大きくて驚いたのですが?
【答】会がはじまった当初、細川先生から「お念仏を3年間、人に聞こえるような声ではなく、自分の耳に聞こえさえすればいいから、朝起きた時と夜寝る前にお念仏を称えてください」と言われ、先生の言うことを聞いてみようと思いました。ナンマンダブツにどういう意味があるとかないとかではなく、とにかく続けてみようと思い3年間続けてみました。
続けてみて感じたことは、お念仏なしには信心とかないのではないかと感じています。
もう一つ先生がおっしゃられたことで印象に残っているのが、「どんな難しい本でも毎日読めば読めないはずはない。一日1頁でも読めば読める」と言われ、それから、かならず寝る前に本を読むようにしました。先生の『自己を超える道』という本が5冊あるのですが、行きつ戻りつしながら2回読むことができました。
【問】会を続けてきて良かったことは何ですか?
【答】生きる勇気をもらったことです。世間に対して自分の立つ場所といいますか、自分を見る鏡となるものをいただいたと思います。いつも迷っているので、鏡となるものがないと生きていけない…。私を大悲してやまない本願に遇っていくことで、現実が生きられるように思います。
また、真の友だちを聞法会を通して賜ったと思っています。近くに住んでいる人と本当に出会うことができました。これまでの学校時代の友だちなど、心の底から出会えなかったと思っていましたが、友だちによって自分自身が育てられているということがはっきりしたように思います。
(聞き手 教区駐在教導)
|
 |
「ぐるうぷ蓮華」訪問記
|
|
臼杵組萬春寺住職 陶山法水
|
この同朋会は「お寺」の同朋会ではありません。この会の参加者は、主催者以外は「御門徒」さんでも「推進員」でもありません。参加者が何の宗教でどこの宗派でどこのお寺に所属しているのかも私は知りません。そこがこの会のすごいところです。
平成5年に本山指定の推進員養成講座が臼杵組で行われ、萬春寺にも多くの推進員が誕生し、ご命日の集いもはじまりました。
翌年、推進員の遠藤さんからお友達にも仏法を勧めたいとのご相談がありました。「地区の婦人学級の若いお母さん方に仏法に触れてほしいが、お寺にこれまで縁がなく敷居が高くて門に足を踏み入れにくいと言うので、私の家で気軽に話せる場を開こうと思う」とのことでした。
早速、会を立ち上げ、みんなで『ぐるうぷ蓮華』と名づけ、年4回、午後8時から10時までという大枠を決めました。「宗教」、「宗派」、「寺院」という枠に入っていない、純粋に遠藤さんの「お友達」というつながりだけの会ですから宗教の強要はできません。「お勤め」はしませんし、合掌も礼拝も個人の自由です。ただ御内仏の前で自由に語り合う場が開かれることだけを考えました。
どの方も仕事をもたれ、一日の仕事が終わって家事を済ませて、それから集まるのです。主催者の遠藤さんは毎回手作りのお菓子などをたくさんふるまって「お茶飲みにおいで」と友達を誘い、その苦労にお友達は答えてくださっています。皆さん疲れているのにと頭が下がります。
ゼロからの出発ですが、何か取っ掛かりをと思いテキストを選びました。東本願寺出版部の『真宗生活入門講座(?〜V)』をたくさんの本の中から選びました。本の薄さ、仏教用語の少ない現代語、何より少しずつ自分を見つめていくプロセスを踏んでいるという点で10年経った今、新たなテキストがなかなか見つからず、改めてその良さが思われます。毎回少しずつ読んでは自由に話してもらいます。
私も黙っていることに徹しようといつも心掛けていますが、心配をよそにいつもどんどん話が広がり時間をいつも大幅にオーバーしています。家庭のこと、職場の人間関係、子育て等、色んな問題を抱えながら生きていることをお互いが確認でき、生活のすべてが仏教であることを一緒に学ばせていただいています。十年経ってもまだほんの入り口ですが、仏教に出遇っていくということは本当にすごく長い時間がかかることなんだということを改めて教えられています。
最近、深く自身を見つめられた言葉に驚かされることが多くなりました。今後も皆さんと共に、、土真宗たる仏道の信心の世界が開かれていく」とを願いつつ語り合う場を大切にしていきたいと思います。
(すやまのりみず)
『法爾』では、これから毎号、みなさま方の「同朋の会」をおたずねしてまいります。
|
ぐるうぷ蓮華主催者「遠藤浪江さんに聞く」
|
【問】この会をはじめたきっかけは?
【答】推進員として本山研修に行かせていただき、今、自分に何かできることはないかと思った事からです。
【問】はじめるにあたっての苦労は?
【答】我家は急坂で高い所にあるので、働いた後に皆さんが来て下さるか心配でした。
【問】どんな会にしたいと思いましたか?
【答】働くお母さん達が会社、家族、家事と忙しく生活している中に少しだけの時間、仏教を通して日頃思っている事、悩み、雑談ときさくに語り合えたらと思ったことと、若い人は直にお寺さんに足が運ばない様に思えたのでワンクッションという形を取って我家ではじめてみようと思いました。
【問】はじめてみてわかったことは?
【答】読書と座談会をくりかえす間に、日頃の悩み、疑間等、ざつくばらんに語し合える様になってきました。
【問】はじめてみて苦労することは?
【答】苦労という程ではないのですが、皆さんそれぞれに仕事をもっているので、「今日は何人来られるかな」と思うことと、来て下さった人が「落ちついた気持ちで勉強できればいいな」と思っています。
【問】はじめてよかったことは?
【答】皆さん、時間が許せる範囲で来て下さり、人数が揃えば色んな話が出て楽しいこと。
【問】今後、どのようにしたいですか?
【答】お忙しい御院家さんが来て下さる事に感謝し、年間の反省会をもち、意見を聞きながらご縁のある方はだれでも来て下されば続けていきたいです。
【問】あなたにとつて同朋とは?
【答】よき友でありよき師です。
|
|
(聞き手陶山法水さん)
|
|